Skip to content

Pondicherry #1~ポンディシェリー料理とワダガム~

マドゥライからティルチラーパリを通り、ポンディシェリーに到着。1週間ほど滞在しました。

ポンディシェリー(プドゥチェリー)はベンガル湾沿いにある町で、かつてフランス領であったことからフランス文化が入り込んでいます。通称ポンディ。沿岸部にある元フランス人居住区のホワイトタウンは、道路が碁盤の目のように区切られており、インドらしからぬシンプルなワントーンの建築が立ち並んでいます。海沿いには広い歩道があり、人々がのんびり散歩していました。きれいですがどこか殺風景でした。

驚いたことに、ポンディシェリーではインド人でもフランス語を話す人が多いそうです。学校ではフランス語の授業があり、町の標識もタミル語とフランス語が並んで表記されています。

フランス料理を食べることもできます。クロワッサンにキッシュ、にんじんケーキなどのフランス菓子。外国人の観光客が多いので、フレンチ以外にも洋食が食べられる店が多かったです。インド料理に比べると高いです。

ほうれん草のキッシュ。
フランス風のお菓子はやっぱりおいしい。

料理が目的の旅なので、やはり興味が向かう先はポンディシェリー料理でした。フランス料理とインド料理が混ざった面白いレシピがあるのかも・・・と想像していました。しかし結果としては、滞在中にそういうレシピを見つけることはできませんでした。フランス文化が入っているのはあくまでフレンチコロニーの中だけで、ローカルな店はどこも他と変わらないインド料理が食べられているようでした。モダンなカフェの創作料理でカレー味のガレットなんかがあるくらい。料理だけでなく街並みも、仏居住区の一歩外に出ればインドの他の街と変わらない風景でした。私が思った以上にインドとフランス、そこははっきり分かれてる感じでした。

ポンディのお母さんが作ったポトフのようなスープ。

私が前半に滞在したホームステイでは、お母さんがポトフのような料理を作ってくれました。野菜を切って、チキンを茹でて、何ができるのかなぁと思ったら味がポトフそのものでしたが、これはフランス料理なのかな?お母さんにポンディシェリーの料理はどんな味なの?と尋ねると、スパイス控えめであまり辛くないという答えでした。

ここのホームステイにはベルギー人の女性が間借りで暮らしていました。彼女はベルギーでの仕事を離れ、新しい生活を求めてインドはポンディシェリーに来たそうです。タミル語を勉強中とか。仲良くなれてうれしかったです。

さらに、料理教室にも参加してきました。驚くことなかれ、一日でなんと怒涛の12品目を作りました!4~5品くらいだろうと思っていたので正直びびりました。先生のシャマはマンガロールやムンバイなど他の地域の料理も詳しく、様々なテイストの料理がテーブルにずらっと並び、とても豪華でした。味もすごくおいしかったです!食べきれなかった分は使い捨てのお弁当箱に入れて持ち帰らせてくれる親切ぶり。彼女の料理教室情報は次回からのレシピ記事に書きたいと思います。

シャマにも同様の質問、ポンディシェリー料理の味について尋ねると、スパイシーよ!との答えが。ホームステイのお母さんと言ってること全然ちがう!いよいよポンディ料理がなんなのかつかめなくなってきました。この日作った料理はどれもおいしかったけど、タミル料理との違いがあまり見つけられなかったのです。

一週間の滞在を終えて、ポンディシェリーの料理は他のタミル圏の料理と同様のものなのかな、という個人的結論に達していました。

数日後、以前にお世話になったチェンナイの料理の先生、スンダリ先生とメッセージをやりとりしていました。先日ポンディシェリーに滞在していた話をすると、先生実は以前ポンディに住んでたことがあるらしく、ポンディシェリー料理の特徴を的確に教えてくれたのです。

ひとつめは、パウダースパイスをあまり使わずホールスパイスをつぶして使うこと。料理教室でも、ホールスパイスを石臼でつぶして使っていました。ターメリック・コリアンダーパウダー等も市販品は使わず、家のミキサーで挽いたものを使っていました。

ふたつめは、とても小さい粒のにんにくを使うこと。確かに!料理教室でにんにくの皮をむくとき、小さいのばっかりだな~と思ったのを思い出しました。小粒にんにくをいっぱい使っていました。

そして最後に、ポンディシェリーで生まれたスパイス、Vadaghamを使うことです!Vadavam,Vadakam,英語圏・フランス語ではVadouvanとも表記されるみたいです。私がタミルで耳にした発音はワダガムという感じでした。料理教室でも使っていて、なんだこれと思いました。ネットで調べてわかりやすい解説をしているサイトを見つけたので、こちらとwikipediaを参照して説明したいと思います。

SITA Cultural Center- Spice of South India “Spice of Pondicherry”
Vadouvan – Wikipedia

スーパーに売ってました、ワダガム!買ったのでいろいろ試作してみたいです。

ワダガムはフランス風の食材(エシャロット・玉ねぎ・ニンニクなど)とタミル風の食材(フェヌグリーク・カレーリーフ・マスタードシード・レッドチリ・クミンなど)を混ぜて丸めて天日干しにした、旨味と香りの塊みたいな調味料です。保存が効き、1年ほど持つそうです。材料のバリエーションは多様で、ネットでレシピを探したら南瓜を入れてるワダガムなんかもありました。肉、魚、野菜料理などオールマイティーに使えます。料理教室ではナスのコランブで使いました。

タミルナードゥ全体で使われているスパイスのようですが、参照元のサイトによれば発祥はポンディシェリーだそうです。 本家フランスにもポンディシェリーからワダガムが持ち帰られ、フランス風のカレーのスパイスとして使われてるらしいです。 別名フレンチマサラとも呼ばれています。インドの外ではパウダー状になったものが多いようです。フランスに行ったことがある方、見たことありますか?

フランスとタミルの食材がミックスされたスパイス。私が探していた印仏折衷の味はこんなところにあったのでした。

次回記事はポンディシェリー旅行記第二弾、インドでお店の看板を作ってもらった体験を書いていこうと思います!

Be First to Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です