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100のレシピ採集紀行 旅の終わり

2020年3月1日チェンナイ国際空港からインド出国。6か月間にわたるインド料理修学の旅が終わりました。

その後はスリランカに移動し2週間ほど滞在しましたが、新型コロナウイルスが広がっていたため予定より早く帰国。私がインドを出国した直後に日本人のビザ停止、スリランカを出た直後には国際便の乗り入れ制限がかかり、結果としてぎりぎりのタイミングで帰ってこられた形になりました。

6か月間は長く、いろいろなことがありすぎて、正直何から振り返ればいいかわからなくなります。順を追ってひとつずつ振り返っていきたいと思います。

出発前に購入した100ページのノートブック。帰国する時にはほぼすべてのページを使い果たしていました。
インドで学んだレシピは全部このノートにメモしてあります。

100のレシピ

レシピの採集は目標としていた100を上回り、最終的に120ものレシピを集め、記事にすることができました。料理教室の先生を始め、英語学校のクラスメイトや、ホームステイ先のお母さん、家政婦さんなど、幅広い人たちから料理を教わりました。

私がインドで集めたレシピはほぼすべてこのブログ上に公開しています。分量表記等レシピとしては不完全なところも多々ありますが、インドから持ち帰ったリアルな記録として読んで楽しんだり実際に作ったりしてもらえると嬉しいです。

また、集めたレシピたちはこれから作っていくレストラン”too much india”のメニューに組み込んでいこうと思っています。レシピのひとつひとつにはストーリーがあります。作り方だけではなく、教えてくれたインドの人々のことや、美味しかった記憶を思い出しながら、料理を作っていきたいです。将来この旅行記を読んだ方がレストランに来てくださった時、100のレシピの料理がお皿の上に出てきたら、そのお客さんは私のインドの旅を追体験してくれるんじゃないかと思っているんです。

日本からすごく遠くて、すごく広いインドだけど、too much indiaに来たときは見たこともないような異国の味を体験できる、わくわくするような場所にしていきたいです。一瞬のインド旅。

インドの優しさ

料理と並んで今回の旅で印象的だったことは、インドにいる人々の当たり前の優しさです。

よくインドは治安が悪いなどと言われますが、私はそうは思いません。旅行客が会う悪人は一部のインド人です。多くのインド人は、困った人がいたらたとえ初めて会った人でも助けてくれる優しい人たちです。

ウダイプルという都市に列車で移動していた日のことです。その日州の政策でインターネットが停止していて、駅を降りても予約したホテルの場所が調べられないという状況でした。困りながらスマホをいじっていると、向かいに座っていた若い夫婦に話しかけられました。彼らはウダイプルに住んでいるので、私がホテルにたどり着けるよう手伝ってくれると言うのです。

駅を降りると彼らは私の代わりにリキシャの運転手と話をしてくれました。しかしその日、私のホテルの周辺で大規模なイスラム教徒の集会があるため近づけないと言われてしまいました。そこでその夫婦は私を家に連れて帰り、集会が終わる夜まで待たせてくれました。3人で近くのデリで昼食をテイクアウトし(おごってくれました)話し相手になってくれました。夜には旦那さんがバイクを出してくれ、私のためにウダイプルの湖にも立ち寄り、集会でまだ混雑している所からはバイクを降りて歩いてまで私を無事ホテルまで送り届けてくれました。

それだけではありません。ウダイプル滞在中に体調が悪くなってしまったときも、その夫婦が病院に連れていってくれ、診察室に付き添い、検査の結果を受け取るために3回も往復してくれたのです。たまたま列車で乗り合わせただけの旅行者にここまで優しくしてくれる人たちがインドにはいました。この夫婦の話は数あるエピソードのうちのひとつです。

インド人の口癖で印象的なものがあります。「あなたと私は友達だから、No thank you, No sorryだよ」

何かあるとすぐにThank youとSorryを言ってしまう私がよく言われた言葉でした。「ありがとう」も「ごめんなさい」もいらないのは友達に限ってではなく、インドの人みんなに共通しているようでした。何かされて、してあげることは当たり前のこと。それが知っている人でも、知らない人でも。

旅の訪問都市

体調不良や気持ちの変化等の理由で当初の予定通りには進みませんでしたが、訪問した都市は次の通りです。太字がレシピを採集した都市、細字は滞在・通過しただけの都市です。

北インド

Dehradun
Rishikesh

New Delhi
Jaipur
Udaipur

東インド

Patna
Bodh Gaya
Kolkata
Guwahati

南インド

Goa(Canacona, Panaji, Candolim)
Kochi
Alleppey
Varkala
Trivandrum
Kanyakumari
Madurai
Tiruchirappalli
Pondicherry
Mahabalipuram
Chennai

インドに到着し最初の2か月はDehradunの英語学校に通いながら寮生活をしていました。ここでたくさんの友達ができました。学校終了後に移動した北インドの街では腹痛・発熱が続いてホテルに籠ってる日が多く、思うように行動できなかったのが悔しいです。それが原因で日程も後ろ倒しになり、予定していたVaranasiを諦めました。体調面からホテルスタイルのリッチな北インド料理はあまり食べられませんでしたが、Dehradun滞在中に寮のコック・レヌの朝昼晩の食事、クラスメイトの家での食事など、北インドの家庭料理を食べる機会に恵まれました。

東インドでは案内してくれる知人がいたり、友達の実家にステイさせてもらったりしたおかげでスムーズに動けました。特にアッサム州Guwahatiにいた時は政治的デモで一切外出できない状態だったにもかかわらず、ステイ先の家族が料理の先生を紹介くれたおかげで珍しいアッサム料理を学ぶことができました。緊迫した状況下で安全な場所と勉強の機会を得ることができてとてもありがたかったです。Kolkataのマダスリー先生から学んだベンガル料理はこの旅のハイライトの一つと言えるほど、私にとって影響の大きいものでした。

南インドについてからは体調がよく、列車とバスを乗り継ぎながら活発に動けました。思い残すことといえばコンカン地方にあたるマンガロールやウドゥピ、予定していたハイデラバードまでは足が回らなかったことでしょうか。それらの都市は次回のお楽しみです。一か月のチェンナイ生活は自炊しながらインドに住むような体験ができてとても楽しかったです。

西インドやチベット文化圏なども今回は行かなかったので、次回はぜひ行ってみたいです。

これから

インドの結婚式に参加したり、ディワリやポンガル祭りを祝ったり、猿とバトったり、話し始めたらまだまだ足りません。お会いした時に色々話を聞いてもらえると嬉しいです。

さて、これからはいよいよインド料理店too much indiaの実店舗オープンに向けての準備を進めていく予定です。店舗設営の進捗情報を記事にしてご報告していきたいと思いますので、これからも気にかけて読んでくださると嬉しいです。

今回のインド旅の間、ブログを読んでくださり、また応援してくださり、本当にありがとうございました!引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!

too much india トミー

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